人生初の研究集会

こんにちは。ひよこてんぷらです。

 

先日、人生初の研究集会に講演者として参加させていただきました。

 

緊張したなぁ……

 

でも参加してよかったです。

 

今回はそのことについて、この新鮮な気持ちを書き残しておいて後で見返してみたいと思います(見返せるくらいになる頃にまで研究を続けているかわからないけど……)。

 

あまり僕は詳しくないですが、研究集会というと年に2回ほど開催される学会が一番注目度が高い研究集会であるそうです。でもこの学会に限らず、様々な研究集会が各地で開催されています。普通は対面で開催されるということで、各開催地に赴き、そこで講演会を行います。とはいえ現状はなかなか対面で大規模な集会を開催するのは難しいということで、最近ではZoomなどを用いたオンラインによる研究集会が盛んに行なわれています。

 

やはり研究集会は対面で行うということが望ましいとされているわけですが、僕個人としては、オンラインの研究集会は現地に赴くことなく参加できるため、参加の敷居は低いと感じています。そういうわけで、既に聴講者としてZoomの研究集会に参加させていただいたことはありました。

 

しかしながら、今回は急に講演者として研究集会に参加させていただくことになったわけです。びっくりしました。とはいえ今回の集会は若手がメインの集会で、若手同士の交流を深めるための会であるということで、むしろ僕みたいな若輩者に優先的に講演をお願いしているそうです。ビビりましたが、主催の先生からはあまり気難しく考えなくて大丈夫だよと背中を押してもらいました。がんばります。

 

講演の内容は修論の内容をさらに詳細に説明したという感じです(修論は発表15分、今回は30分)。既に一度修論の発表を行っているのでその延長という感じではありますが、やはり今回は外部の一般の研究者も聴講可能な会ということで、より一層緊張感の高い発表でした(修論修論ですごく緊張しましたけど……)。

 

そして、実はちゃんとした発表練習は一度もしませんでした……修論の発表練習は指導教員の先生が3回練習に付き合ってくれたわけですが、今回は先生が忙しくなかなか時間が取れなかったので、仕方なく自分の脳内で††完璧に発表††するイメージトレーニングを3回くらいやってから本番に臨みました。発表スライドは先輩からアドバイスをいただいて修正しました。ありがとうございます。

 

今回はオンラインなので画面に向かって話しているという感じではありますが、参加者は30名前後。やはり画面の向こう側に相応数の研究者(しかも自分は最年少)がいると思うと、発表中も冷や汗が……ちょっと吐き気も……ウプ……

 

まあ、なんとかアワアワしながらも無事に時間ぴったりに発表を終えられたのはよかったです。質問に関しては答えられる範囲でがんばり、後は「分かりません」で凌ぎました。講演を聞いてくださった先輩もありがとうございます。もっと精進します。

 

ちなみに僕の講演前は昼休憩で1時間の昼食タイムだったのですが、緊張でまったく食欲がなく、かといって1時間も猶予があって家の周りをウロウロしていました。昼食は講演後に食べていました。食べながら講演を聴講してしまいすみません……(これもオンラインならではの魅力ですね)

 

自分の番が終わってからは、清々しい気持ちで聴講していました。発表スタイルは人によりけりでしたが、とても聞きやすい発表が多く、こだわったスライドや発表を追いやすい手書きスタイルなど、研究者毎の特色の違いを噛みしめながら聞いていました(残念ながら僕の知識不足で発表の内容はよく理解できませんでしたけど……)。

 

さて、その後はオンライン懇親会というものがあるということで、そちらも参加しました。通常の対面の研究集会では、研究の内容を聞いた後に懇親会で研究者同士が色々と実りある議論を交わし(普通の人からしたらすごい濃ゆい懇親会ですよね……)、今後の研究のネタにするそうです。ただオンラインだと研究集会が終われば即解散!でその後の議論の場所がないということなので、オンライン懇親会という形式でそれを補っているという感じです。

 

しかしながらオンライン懇親会はけっこう楽しかったです(笑)始まったのは夜7時前でしたが、終わったのは12時です(笑)意外にも話のネタは尽きず、いろいろと()参考になる話を聞くことができました。今回は研究の話がメインという感じではなく、もっと汎用性のあるお役立ち話を聞くことができました。例えば国際的な慣習の話や、学会の心構え、発表のコツ、論文の書き方などなど。もちろん僕の発表の問題点やその改善点などもご指摘いただきました。たぶん若手の少ない会だともっと専門的な話がメインになるんだと思いますが、今回は若手メインだったので、先輩の経験を踏まえた若手へのアドバイス的な感じでかなり参考になる話でした。かなり遅くまでの会でしたが、この会は参加しないと損だ!と思い最後まで食らいつきました。次の日の予定がなくてよかったです。

 

そしてもちろんですが、今回の会は他の研究者の方に僕の名前を売る機会でもあり、また今後研究者として関わっていく先輩方との交流を深めるという目的もあります。とりあえず他の若手研究者の名前や顔が知れたのはよかったかなと思います。まあ、どの程度僕の研究者としての印象が与えられたかは分かりませんが……

 

正直懇親会だけでも参加したい!って思う気持ちが出てくるくらいにはよかったです。主催の先生方もできるだけ若手が参加しやすいような雰囲気づくりを目指しますとおっしゃっていましたが、まさにとても良い集会だったと思います。主催の先生方には感謝申し上げます。この集会が初の研究集会でよかったです。もし学会が初の研究集会で、厳しいコメントなどをいただいていたかと思うと……ヒエ

 

また、このような研究集会に参加した感想としては、もちろん発表の準備はしっかり行いきちんとした発表をすべきだとは思いますが、若手の交流という目的でいうならば、どちらかといえば現在の研究内容を紹介するというイメージが強いのかなと感じました。そして他の研究者から今後の研究のネタに繋がりそうなコメントをいただくなど、自分の研究を知ってもらう機会という感じでしょうか。そういう意味だと、「俺はこんな研究したんだ!すごいだろ!」というよりも「こんな研究をしたんだけど、あとどんなことしたら面白いかな?」というようなイメージでしょうか。ですからあまり身構えずにがんばりたいと思います(でもやっぱ発表は緊張しますね)。

 

今回発表したのはparabolic-parabolic typeのKeller-Segel方程式についてでしたが、他の発表者の多くがこの走化性モデルを扱っていたにもかかわらず非常に多岐にわたる研究を行っており、研究の多様性を感じましたね。Keller-Segel方程式も僕のは非常にシンプルな構造を持ちますが、連立数が2式でなく3式のタイプや、またlogistic項を考慮したり、拡散係数を変えたり、係数を一般の関数に置き換えたりなどと、いろいろな派生形の研究が行われていることが分かりました。どの研究も難しそうなものだったので、素直にすごいなぁの一言でしたね。

 

また、僕の今後の研究に活かせそうなコメントもいただきました。今関心があるのは解の非負値性と特異極限問題についてです。非負値性についてはおそらくですが初期値の正則性を上げれば解決すると踏んでいます。特異極限問題は、初めは難しいのではないかと感じていたのですが、parameterによらずに大域解が構成できるはずだとのご指摘を受けましたので、再度考えてみようかなと思っています。

 

なお今回の研究集会は、若者への交流の場を作ろうということで主催の先生方が気を利かせてくださったことによる臨時の集会だったそうですが、意外にも好感触だったということで、もしかしたら今後も継続するかもしれないとのことでした。とりあえず僕も少なくともあと5年間くらいは若手ポジションだと思うので、今後もこういった場で活動ができたらよいなと思います。そしてもしこの研究集会が歴史ある大きな集会になったときに「俺はこの集会の第1回目の開催で講演したんだぞ!」と威張ってやります。よろしくお願いします。

 

今回はこんなところとします。集会に参加された先輩方も、今後ともよろしくお願いします。