2021-01-01から1年間の記事一覧

斉次Besov空間の補間理論Part2

こんにちは。ひよこてんぷらです。さて今回は前回の続きである斉次Besov空間 上の実補間関係 \begin{align} ( \dot{B}_{p,q_0}^{s_0},\dot{B}_{p,q_1}^{s_1} )_{\theta,q}=\dot{B}_{p,q}^{(1-\theta)s_0+\theta s_1} \end{align} を示していきます。前回の記…

斉次Besov空間の補間理論

こんにちは。ひよこてんぷらです。お久しぶりです。 最近かなり忙しくてずっと更新を放置してしまいました。この間に論文を書いたり研究集会で発表をしたりといろいろやっていました。今のところは今書いている4本目の論文がだいぶ落ち着いてきまして、研究…

実補間理論の勉強Part3

こんにちは。ひよこてんぷらです。 sushitemple.hatenablog.jp さて、今回は前回勉強した抽象的な実補間の理論をフルに用いて、Lorentz空間の実補間理論を完成させましょう!! 多少一般化して、ここでは次のような定義でLorentz空間を与えます。まずは を測…

実補間理論の勉強Part2

こんにちは。ひよこてんぷらです。 前回は実補間理論の勉強ということで、いくつかの関数空間を導入し、その性質を見てきましたね。 sushitemple.hatenablog.jp 詳しいことは前回に譲るとして、今回はさらに続きをやっていきましょう!!定義をざっと述べて…

実補間理論の勉強

こんにちは。ひよこてんぷらです。実補間理論をやりましょう。 過去にも少しやりましたが、もっと掘り下げてしっかりと定式化していきます。最終的なゴールはLorentz空間の補間理論あたりまで見ていきたいですね。なお、Bergh-Löfströmを参考にしています…

Aubin-Lionsの補題

こんにちは。ひよこてんぷらです。今日はAubin-Lionsの補題をやります。なお、証明は「Mathematical Tools for the Study of the Incompressible Navier-Stokes Equations and Related Models」を参考にしています。まずは主張を確認しましょう。 (Aubin-Lio…

英語の勉強

ひよこてんぷらです。自分用の英語勉強ページです。「数学のための英語教本」に書かれていることのうち、自分が使えそうだと思ったことをコメントをつけながら載せておきます。 基礎的な知識 ☆ Theorem 1.1, Chapter 1.2, equation (1.3)などは番号付きのと…

斉次型作用素論の勉強Part2

こんにちは。ひよこてんぷらです。前回に引き続き斉次型作用素論の勉強をしていきましょう。 sushitemple.hatenablog.jp さて、今回は補間論との関係を見ていきます。まずは一般的な補間論の話をしていきましょう。 をnorm空間とします。さらに、 が共通のHa…

Hardyの不等式

こんにちは。ひよこてんぷらです。今日はHardyの不等式をやりましょう。証明は変数変換で指数型にするのが主流だと思っていましたが、Wikipediaだともっとシンプルな変数変換だったのでそちらを参考にしました。ではやりましょう。 (Hardyの不等式) とする。…

斉次型作用素論の勉強

どうもこんにちは。ひよこてんぷらです。 今回は現在arXivにて公開されている次の論文「Free Boundary Problems via Da Prato-Grisvard Theory」(なんと70ページ!!)の2章を読んでいきたいと思います。内容としては、通常の作用素から斉次型空間に対応する…

Besov空間B_{∞,∞}^0について

こんにちは。ひよこてんぷらです。今回はBesov空間 の性質を見ていきたいと思います。 まず初めに一般のBesov空間の定義を確認しておきます。僕がいままで研究で扱ってきたのは斉次型の空間 なので、非斉次型の空間 とは定義が少し違います。まずは \begin{g…

Rademacher関数系とKhintchineの不等式

こんにちは。ひよこてんぷらです。今日はRademacher関数系の超基本的な性質を見たあと、Khintchineの不等式を証明したいと思います。 さて、まずはRademacher関数系を定義します。各 に対して関数 \begin{equation} r_j:[0,1] \to \{-1,1\} , \quad r_j(t)=\…

Lorentz空間上の補間不等式

こんにちは。ひよこてんぷらです。今度の論文で使いたい基本的な補間不等式を紹介します。 まずはLorentz空間の定義を簡単に述べましょう。 をBanach空間、 を適当な領域とするとき、 上の 値可測関数 に対して \begin{equation}\begin{split} \mu_f(\lambda…

Besov空間の近似について

こんにちは。ひよこてんぷらです。論文を書いている途中で分からなかったことがあったので、自分用のメモです。 とするとき、Besov空間 はSchwartz空間 で近似可能である。 初めに、任意の はLittlewood-Paley分解によって \begin{equation} f=\sum_{j=-\inf…

広義連続半群と生成作用素

こんにちは。ひよこてんぷらです。今回は広義連続半群という僕が勝手に作った造語についてお話しします。 一般に、有界連続半群 というのは、ある定数 が存在して、任意の に対して \begin{equation} T(t) \in \mathcal{L}(X) \quad \text{with} \quad \|T(t…

L^∞の双対とBesovの大きさ比べ

こんにちは。ひよこてんぷらです。 さて、いよいよこれでこのトピックは一区切りです。 これまでなんで の双対を考えてきたか話していませんでしたので、ここでお話ししましょう。 まず、もともとはBesov空間の性質を調べるためにFourier multiplierを勉強し…

閉作用素とresolvent

こんにちは。ひよこてんぷらです。さて、今回は関数解析の基本的な命題を考えてみます。 をBanach空間とし、 を部分空間とします。ここで次の線形作用素 \begin{equation} A:D(A) \to X \end{equation} および次の集合 \begin{equation} \rho(A)=\left\{\lam…

Fubiniの定理っぽいやつ

こんにちは。ひよこてんぷらです。 今回はちょっとわけあって有界有限加法的な符号付き測度空間 に対する積分定理を確認していきたいと思います。 この空間が の双対空間であることは前に確認したわけですが、そのとき普通は定義できない有限加法的な測度に…

有界C^k級Lipschitz関数の空間

こんにちは。ひよこてんぷらです。今回は次の有界 級Lipschitz関数の空間 \begin{equation} Lip^k(\Omega : X)=\left\{\left. f \in BC^k(\Omega :X) \, \right| \, \|f\|_{Lip^k(\Omega : X)} \lt \infty \right\} \end{equation} の完備性を調べます。ただ…

L^∞の双対空間についての続き

こんにちは。ひよこてんぷらです。 前回は の双対空間について少しお話しました。 sushitemple.hatenablog.jp 今回はその話の続きをやっていきたいと思います。 前回は具体的に何を示したのかというと、 有限な測度空間 に対して次の位相同型 \begin{equatio…

L^∞の双対空間について

みなさんこんにちは。ひよこてんぷらです。いきなりですが、今回は の双対空間についてお話したいと思います。なんでこんなことを考えたのかはおいおい話すとして、さっそくやっていきましょう。今回の話はDunford-Schwartzの「Linear Operators PartI」のp.…

斉次Besovの微分階数の意味について

どうもこんにちは。ひよこてんぷらです。 前回はLaplacianのFourier multiplier を超関数 の枠組みでどのように定式化をするかという基礎的な話を頑張っておりました。 sushitemple.hatenablog.jp しかし前にも話したように、いま勉強していることのゴールは…

LaplacianのFourier multiplierによる定義について

こんにちは。ひよこてんぷらです。 さて、前回はFourier multiplierについての話をざっくりとやって、で、満を持してBesov空間のあれこれをやろうとしていた……のですが、まだ少し準備が必要という段階でした。 sushitemple.hatenablog.jp まずはLaplacianのF…

Fourier multiplierまわりの話題の続き

こんにちは。ひよこてんぷらです。 前回はFourier multiplierまわりの話をしていました。 sushitemple.hatenablog.jp いろいろと関数空間 の性質を調べようとしましたが、けっこう大変だったので途中で終わってしまいました。ということでもう少し続きをやり…

Fourier multiplierまわりの話題

どうもこんにちは。ひよこてんぷらです。 ちょっとわけあってFourier multiplierまわりのことを勉強しています。なんでこんなことを勉強しているかは後で話すことにして、とりあえず分かったことをつらつらと述べていきたいと思います。 まずは次の関数空間…

L^∞とBMOの間を調べたい

BMO

どうもこんにちは。ひよこてんぷらです。先日 に関する基本性質を紹介しました。 sushitemple.hatenablog.jp もともとなぜ急にこんなことを考え出したのかというと、Kato-Ponceのcommutator estimateに関する話を聞いたからです。commutator estimateとは次…

BMOについて

BMO

どうもこんにちは。ひよこてんぷらです。 今回はちょっと訳あって について簡単に勉強しました。その詳しいことについては今度話すことにして、今回は について簡単に勉強したことをまとめます。よろしくお願いします。 まず とはBounded Mean Oscillationの…

人生初の研究集会

こんにちは。ひよこてんぷらです。 先日、人生初の研究集会に講演者として参加させていただきました。 緊張したなぁ…… でも参加してよかったです。 今回はそのことについて、この新鮮な気持ちを書き残しておいて後で見返してみたいと思います(見返せるくらい…

Leray-Schauderの不動点定理について

こんにちは。ひよこてんぷらです。今回はまた不動点定理をやります。 前回はSchauderの不動点定理をやりました。 sushitemple.hatenablog.jp これは、norm空間 とその空でない凸部分集合 およびcompactな部分集合 を考えるとき、任意の に対して なる が存在…

Schauderの不動点定理について

こんにちは。ひよこてんぷらです。今回はSchauderの不動点定理を示します。証明にはBrouwerの不動点定理を用います。 Brouwerの不動点定理は、有界な凸集合 に対して ならば なる が存在する(一意的とは限らない)という定理です。これに関しては、前回の記事…