ドイツへ修行に行ってきますPart1

どうもこんにちは。ひよこてんぷらです。

 

今自分はドイツのパーダーボルンにいます。

 

いったい何があったのかというと、いわゆる研究留学というやつです。パーダーボルン(Paderborn)大学、およびハノーファー(Hannover)大学というところに合わせて1か月半ほど滞在し、現地の研究者と交流、および自身の研究内容に関する講演を行います。

 

さて、今このブログはドイツの宿泊地についてから1泊し、翌日に書いています。ただ来ただけなのですが、既にいろいろと書きたいことがありますので、備忘録も込めてここに残しておきたいと思います。準備に関しても書きたいですが、それはまた後で詳しく話しましょう。

 

さて、では当日の時系列順に。

 

まずは東京、羽田空港から飛びます。飛行機はドイツのルフトハンザ空港を選びました。行先はパーダーボルン・リップシュタット空港ですが、途中でドイツのミュンヘン空港を経由します。

 

飛行機は羽田を11:30に出発しますが、11:00に搭乗案内、その2時間前の9:00から荷物の預かりを開始します。さらに余裕を持ってということで、羽田空港へは8:30に到着しました。実際はかなり時間に余裕がありましたが、まあ海外に行くわけですし、保安検査や出国審査、当日のトラブル等のことも考えて早めに到着しました。というか当日もそわそわしていたのでいずれにせよさっさと空港についてしまったほうがいいですよね。

 

今回はスーツケースを預け荷物とし、リュックとバッグを持ち込みました。飛行機のルールでは持ち込み可能な荷物は「手荷物」と「身の回り品」それぞれ1つずつですが、どうも「身の回り品」の定義があいまいなので、実際は手荷物を2つ持ち込めるというような解釈でよいのでしょう。

 

空港についてまずは自動改札機でチェックイン。これで搭乗券ゲットです。とりあえず第一ステップ完了。そこから少し待機し、早速9:00からスーツケースを預けます。もちろん開始までに行列がついているわけですが、待機列は7,8割ほどが海外の方でした。既にアウェイ感が半端ないです。あと日本人(海外の方もですが)はグループが多かったので、それも含めると日本人1人でというのはさらに少なかったですね。孤立感が……

 

さて、荷物は9:30には預け終わったかと思います。後は出発の為の保安検査と出国審査です。11:00搭乗案内なので1時間半の余裕がありますが、保安検査の待機列がめちゃくちゃ長かったので、さっさと並んでしまった方が得策かと思いすぐに検査の待機列につきました。しかし実際には待機列はかなりスムーズに進んでいったので、待機列の長さほどの疲れは感じませんでした。

 

保安検査では刃物や液体類をチェックされます。なお液体の定義はかなり広く、洗顔フォームや歯磨き粉の類も液体、さらに生クリームやゼリー類も液体のようです。事前にこれは調べていたので特に問題なく検査は通りました。ちなみにパソコンやタブレット類も検査では取り出すように指示されると思ったのですが、どうもリュックやバッグはそのままでOKとのことでした。後は全身をぐるりと機械および人力でチェックし、問題なければ再び手荷物を持っていくことができます。

 

それと出国時にはパスポートをSuicaのようにタッチしながらカメラに顔を向ければ大丈夫なようで、パスポートにスタンプを押されることもなく出発ロビーにまで移動できました。スタンプが押されないのは少々寂しい感じもしますが、とにかく準備完了です。

 

さて、出発ロビーには10:00過ぎくらいには到着していたと思います。これでもう手続きはなく後は飛行機に乗るだけなので一安心です。しかしこれから乗る飛行機は半日以上かかりますから、なかなか緊張しますね。出発ロビー内にはいろいろな店があるわけですが、とりあえずペットボトル飲料と少しの食料を確保したいと思い、自動販売機で飲み物1つ、おにぎり2つ、パン2つを購入しました。おにぎり2つは出発前に食べました。ロビー内の飲食店はめちゃくちゃな価格設定なので、賢い判断です。なおこのおにぎりが出発前最後の日本で食べる日本食ですね。ツナマヨと昆布、おいしい。

 

さていよいよ搭乗です。ちょっとここで愚痴をこぼしたいです。事前のチェックインで座席を指定できるのですが、自分はお手洗いにスムーズに行けるようにお手洗い近くの通路側座席を指定しました。同じ列(正確には行ですが)の窓側の席は同じく1人で来たであろう日本人のおじさんだったのですが、自分が先に通路側に座っていたのでおじさんから「君、奥に行っていいよ」と言われました。自分はむしろ通路側がよかったので「自分立ちますから奥入って大丈夫ですよ」と座席を立ったのですが、おじさんが「いや実は通路側がいいんだよね、席交換しない?」と言って結局自分が奥に行く羽目になりました。勝手にcommutator estimateしないで……事前のチェックインで座席指定してるのに……たぶんおじさんはギリギリにチェックインして通路側の指定席が残っていなかったか、あるいは座席が指定できることを知らずにデフォルトのままで来たかのどっちかですね。うーん先行き不安だなあ。

 

搭乗時間は搭乗券購入時の情報によれば14時間40分です。11:30に羽田を出発して18:10にミュンヘンに到着します。これだけだと6時間40分ですが、到着時刻の18:10とはドイツでの時刻なので、日本からの時差8時間を追加すると計算が合います。なお実際はミュンヘンにはもう少し早く到着しました。さすがにこれだけの長時間フライトだと到着予定時刻はころころ変わりますね。初めは機内で15:00くらいに到着するとか言われたり、途中で16:00や17:00に変わったりと……

 

さて話を戻して搭乗直後ですが、ルフトハンザ空港では機内に簡易枕とブランケットが用意されていました。やはり長期間フライトですから機内で一夜を越すための最低限の準備はされているようですね。まあ自分はほとんど寝ませんでした(眠れなかった)が……

 

そしてそれぞれの座席の正面には前の座席の背面にくっついているモニターで映画などを観ることができます。

ルフトハンザ空港内の座席モニター

まあでも自分は何も観ませんでした。このモニターで搭乗前の案内や緊急時の注意などを全て動画で説明してくれるので、とても分かりやすいです。なおもちろんですがドイツの空港会社なので基本は全てドイツ語です。まったく分かりません。しかしその後に英語や日本語でも案内してくれますし、日本のCAの方もいます。ですからそこまで心配する必要はありません。

 

搭乗直後にはモニターでの案内の後、いよいよ離陸です。あまり飛行機に乗り慣れていないのでやはり離陸時のスピードアップには慣れません。あの大きな加速度で臓器が強い慣性力を感じるのがどうも慣れなくて……まあなんとか離陸は成功し、ぐんぐんと上昇していきます。

 

自分はおじさんと座席交換をさせられて窓側になってしまいましたが、まあせっかくだしと窓の様子を撮りました。

羽田空港からの離陸

ある程度上昇すると機内が安定し、自由に機内を移動できるようになります。このあたりのタイミングでCAの方がモニター接続用のイヤホンを渡してくれます。まあ自分は映画を観なかったのでこれは記念品として持ち帰ります。

記念のイヤホン

さて、先行き不安と言った矢先にさっそくアクシデントが!!離陸して割とすぐにCAの方がサービスで飲み物を配ってくれまして、自分はりんごジュースをもらいました。そして速攻でそのりんごジュースをこぼしました。わお。まだこれから半日以上機内にいないといけないのにズボンの一部と座席下にあったリュック、バッグが被害にあいました。きついな……

 

あと席交換したおじさんは飲み物を3杯も注文し(そのうち2杯はアルコール)、最悪です。何が困るかって自分がお手洗い行きづらくなるんですよね。もともと通路側がよかったのはお手洗いに行きやすいからなのに、席交換された挙句に3杯もカップの飲み物あると最悪なんですよ。でもジュースこぼしたのでお手洗いの水場に行くべく通してもらおうとしてもおじさんどかないし……「俺の座席靴で踏んでいいからこっから通って」とか言われて……そんなこと言われても踏むわけにもいかないしテーブルには3杯もカップあるし……めちゃくちゃ脚広げまくってなんとか越えましたよ。ええ。海外に行くのに一番困らされたことがこれですよ。

 

まあこんなことばっかり話しても気分良くないですし、違うことを話しましょう。長期間フライトといえば機内食ですよね。人生初の機内食です。今回は2回出ました。先ほども言ったように離陸してからはモニターで映画などを見れますが、自分は観ないでぼーっとしてました。しかしさすがにぼーっとしてずっと過ごすのも難しいですから、iPadでやり残していた研究の続きをしていました。インターネットには繋げないのでメモ帳でつらつらと計算をします。そしてその途中に1回目の機内食が運ばれてきました。写真を撮っています。

1回目の機内食

写真によるとこれは日本時間で13:00です。出発が11:30だったので1時間半後。わりとすぐですね。CAの方からは「フライドチキン オア パスタ?」のようなことを聞かれたので、流石に肉は重いなぁ(もともと少食な上に機内で気持ちも落ち着かないので)と思いパスタを選択しました。写真の左は巻き寿司とポテトサラダ、トマトです。巻き寿司とはいってもきゅうり、桜漬け、鶏肉なので巻き寿司"風"ですね。でもご飯は酢飯だったと思います。右がメインですが、パスタといっても普通にイメージされるものではなくマカロニのやつです。トマトソース風味でチーズ入り、他にもマッシュルーム、パプリカ、ズッキーニなどが入っています。なお容器を見れば分かるかもしれませんが、めちゃアツアツです。普通に触ると火傷します。特にCAの方からは注意なく受け取りましたが、容器のフタ(写真を撮る前はフタは閉まっていました)に「熱いので注意」などの記載があっても良いかもしれません。あるいはこの容器をトレーの奥側に配置する、など……それとフタで隠れていますが、奥にあるのは右の茶色いのがパンです。真ん中の白い容器にはマーガリン、そして左の容器にはデザートのチョコパウンドケーキが入っています。

 

さて、こんな機内食が運ばれてきたはいいですが、自分は出発直前にロビーでおにぎり2つを食べています。なので正直あまり食欲が……とはいえまったく食べないのもと思い、まずは食べやすい巻き寿司。それからパンはマーガリンを塗らずにかじります。メインのパスタですが、これはさすがに重すぎる。肉は重そうだからパスタと答えたのに、これもトマトソースとチーズで重いです。しかも容器ギッシリに詰まっており、たぶん空腹でも完食はきついです。でも味はおいしかったですね。

 

結局、機内食は全体の2割くらいしか手をつけられませんでしたが、さすがにこれで片づけられるのはもったいないと思い、片づけ時には自分の分はそのままにしてもらいました。再び研究の計算を続けつつ、時折機内食をちまちまとつまみながら過ごしました。なお2回目の機内食より前に途中でまたCAの方が「オニギリ オア パウンドケーキ?」と来られたのでおにぎりを食べました。鮭味。時間は覚えていませんが、このタイミングでちまちまとつまんでいた機内食を返却しました。結局、巻き寿司の他にパンとデザートは完食。マーガリンは使わず記念に持ち帰ります。しかしやはりパスタが重すぎたので、これは1/4も食べないまま返してしまいました……あまり食事を残すのが嫌なので何とかしたかったですが、流石に厳しかったです、すみません……

 

日本時間で何時だったでしょうか、18:00くらいになるともうあたりは真っ暗になっていた気がします。普段の自分だと今頃は計算が捗っている時間帯だと思いますが、機内も徐々に暗くなり、窓を閉めているところの割合が増えてきます。もう少しすると本当に真夜中のように暗くなります。飛行機で移動しているので当たり前なのですが、ぐっと時間が圧縮されてあっという間に夜になる感じ、不思議ですね。けっこう寝る体制に入る人が増えてくる頃ですが、自分は寝付けるタイプではありません。まあ一応寝てみるかと目をつぶりましたが、1時間くらいで断念してやっぱり計算に戻りました。一瞬だけうつらうつらとはしましたけど、やっぱ機内で寝るのは難しい。それなりに座席が倒せて脚をのばせないと無理ですね……

 

そういえば座席のモニターでは映画が観られるといいましたが、映画が一番の暇つぶしコンテンツというだけで、映画以外にも様々な機能があります。自分が一番よく使ったのは現在のフライト情報を見るという機能です。実際に写真を撮ったのでお見せしましょう。

今回のフライト軌道

これは日本時間で19:00頃のものです。東京からミュンヘンまでこのように移動します。やはりこれはロシア迂回ルートということですかね。まず東京からアメリカ方面へ海の上を渡ります。アメリカ大陸とロシアの間、つまり太平洋と北極海の間まで来たらロシアの北、やはり海の上を移動してヨーロッパに突入です。

 

長期間フライト、とは言いましたが、意外とすぐ着く感じです。いやすぐ着くのはウソなんですが、飛行機の中で研究の計算を考えた結果、結局簡単な計算を3つくらい終えられただけだったので……これはフライトが短いというよりも如何に理論研究が暇つぶしに最適かを意味している方が正しいかもしれませんね。

 

ちなみに先ほどのフライト情報に関して、画面上に外気温度が表記されていますね。なんとマイナス50度以下です。これはなかなかの寒さですね。このときは真夜中だったのですが、日本時間で23:00頃には外が明るくなっていたので窓を開けて写真を撮りました。

凍り付いた飛行機の窓

さすがの寒さに飛行機の窓も凍り付いていますね。そして日本時間で24:00、ここで2回目の機内食です。

2回目の機内食

2回目は1回目と異なりあっさり目のパンとフルーツ。パンは冷えててまじうまで速攻で食べました。柔らかい生地で、チーズとマスタード(?)系ソースの味付けで、パプリカ、ズッキーニ、オリーブ等が入ったシャレオツパンです。右の容器のフルーツは、りんごとグレープフルーツはいいのですが、真ん中のは分かりませんでした。なんとなくメロンっぽいようなわずかな甘みがありますが、食感はなんというか大根の漬物に近い感じの……梨ともまた違う……何だろう。まあおいしかったです。

 

ちなみにフルーツの奥にキットカットが隠れていますが、これはサービスです。全体で機内食以外のサービスは、飲み物は3回か4回くらいです。1回目のりんごジュースのやらかしでトラウマでしたが最後には紅茶を頼みました。また他には途中で炭酸水ペットボトルの配布、そして今のキットカット、前述のおにぎり(またはパウンドケーキ)くらいですかね。やはり長期間フライトなのでサービスは充実していたように感じます。初めこそおじさんに席交換されたりりんごジュースをこぼしたりと最悪になっていましたが、全体としては機内サービスは良く、計算を考えてたらあっという間についたので良いフライト経験になりました。

 

そういえばミュンヘンでの着陸ですが、パイロットの技術ががめちゃくちゃすごくてビビりました。本当にわずかに着陸を感じるふわっとした衝撃の1回だけで着陸したのですごかったです。かなり滑らかな着地で、 C^1 級くらいはあったと思います。注射がうまい医者の人とかと似てる感覚ですね。そしてうまいなぁと思っていたら少し奥の客は1人で拍手してました。やっぱあの着地良かったよね、と心の中で自分も拍手しました。あと離陸時に羽田の写真を撮ったので、せっかくだしとミュンヘンの写真も撮りました。

ミュンヘン空港への離陸

これはドイツ時間で17:30くらいなので少し暗く、ちょっと写真がぼやけてますね。というか手前の窓の水滴にフォーカスしちゃってるのが原因か。しかし羽田と比べると全然建物がないですね。田舎なのかなとか思ったりもしましたが、たぶん日本が狭すぎて建物を密集させるしかないのが問題なのかなとも思いますね。どうなんでしょう。

 

あとこの写真を撮るべくしばらく窓を眺めていましたが、飛行機の翼ってけっこう薄いんですかね。下降時にずーっと翼の先端がぷらっぷら揺れてましたけど、大丈夫なのかな。そして翼も途中で装甲が剥がれかけたりしてこれはどうなのかなと思いましたが、どうもあれは風の抵抗などを調整するために意図的に翼上部を立ち上げたり閉じたりできるんですね。パイロット、大変だなぁ。いやしかしまじまじと見てもどうやって飛行機が飛んでいるかは不思議なものですね。まさにこれは流体力学の範疇だと思うのですが、やはり流体力学は難しいです。

 

さて、ミュンヘンに到着して一安心といいたいところですが、まだまだこれからです。確かに移動には時間がかかりましたが、羽田からミュンヘンはただ待っていれば着くので、問題はドイツ国内での移動ですよね。次はミュンヘンからパーダーボルン・リップシュタット空港です。こちらは1時間5分で着きます。ドイツ時間で19:50出発の20:55到着。既に羽田でこちらの搭乗券も持っていますし、預けた荷物もそのままで大丈夫なので、必要な手続きは保安検査、事前審査を再び受けるだけです。

 

なおこちらの保安検査ではパソコンは出すように言われました。まあパソコンは大丈夫だったのですが、飲み物はアウトでした。飲み物は羽田での出発ロビー内で購入したものと、機内でCAの方から渡された炭酸飲料の2つです。自分で購入したものは飲み切っていたので飛行機から降りる際に廃棄していましたが、CAの方から渡された方は手つかずのままでした。大丈夫かなと思っていたのですが、没収されてしまいました。残念。どうせ未開封でも没収されるなら一口くらい飲んでおけばよかった……

 

ちなみに、もちろんですが保安検査では英語で対応されました。飲み物やパソコンを出せということは分かったのですが、最後に「Duty Free」と言われたことだけが分かりませんでした。調べると免税店のことですが(確かに空港内で免税店はDuty Freeと書かれていますね)、なぜそう言われたのかがいまいち理解できていません。飲み物は没収されましたが、「免税店のものでも没収するよ」という旨の発言だったのでしょうか……勉強不足ですね。

 

その後は出発ロビーに向かうのですが、ミュンヘン空港が死ぬほど広くてなかなか大変でした。出発ゲートがAからLくらいまであったと思いますが、今回自分はGのゲートです。そしてGのなかでも番号が大量にあって、そこからパーダーボルン行きのゲートを探します。なおGのゲートに入る前に簡単な事前審査を受ける必要がありましたが、案内板に書いてあることがあまり理解できずに苦労しました。どうもEU圏とそうでないので異なるレーンを通る必要があるようです。そしてレーンの奥で審査を受けました。審査といってもパスポートを見せて簡単な受け答えをするだけです。「どこへ行くか」「どの程度の期間行くか」「何の目的で行くか」「宿泊地の情報を確認させてほしい」くらいの内容です。これでGのゲートに入り、やっと準備完了です。

 

なお出発は19:50ですが、どのゲートに目的の飛行機が来るかは1時間前の18:50まで分かりません。自分はもう少し時間に余裕があったので、ゲート情報が電光掲示板に表示されるまでGのゲート内をうろうろしていました。あとゲート内のトイレでりんごジュースでペタペタになったバッグを濡らしたハンカチで念入りに拭きました。応急処置です。ゲート内の雰囲気は羽田の出発ロビーと同じですが、もちろんドイツ人が多いです。というのもミュンヘン空港からドイツ国内であるパーダーボルンに行くので、イメージとしては東京から北海道に行くルートに海外の方がいるという感じです。なのでアウェイ感がすごいです。ちなみにミュンヘン空港のロビー内は写真を撮っていなかったのですが、これだけはつい撮ってしまいました。

極度乾燥(しなさい)

そして思ったのが、ドイツ人はマジで誰もマスクしてないですね。そういう風に振り返ってみると、確かに羽田からミュンヘンの時もそうでした。日本のCAの方は全員マスクをしてたと思いますが、ドイツのCAの方はしてなかったです。やはり文化の違いですかね。

 

そしてパーダーボルン行きの飛行機ですが、これはだいぶ小さいです。羽田からミュンヘンのは横の列(正確には行ですが)が3席・3席・3席と並んでいますが、パーダーボルン行きのは2席・2席のみです。当然モニターなどもありません。あと飛行機に乗るまでに専用バスを経由します。日本でもLCCとかだと飛行機までが遠いので専用バスで少し移動しますが、そんな感じです。しかしたぶん日本と違うのはバスのスピードですね。そこそこ速かったです。しかも空港内は迷路のようになっているのでわりと直角カーブが多いのですが、かまわず運転します。そしてバスが着くとようやく機内に乗り込みます。

 

もちろんもうドイツ国内なので機内の案内はドイツ語のみです。少し英語もあったかもしれません。あとあまり機内サービスには期待していなかったのですが、ルフトハンザ空港マーク入りのチョコを1つとペットボトルの水を1つもらえました。特に飲み物に関しては保安検査で没収された上に自分はユーロを持っていなかったので、出発ロビーで飲み物を買えず困っていたところです。まさにオアシス。そしてチョコですが、やはり海外チョコは甘い!!喉が焼けました。パーダーボルンへは1時間で着くのであっという間です。こちらも着地がスムーズで素晴らしかったです。Lipschitz連続くらいですね。

 

さてこれで目的地まではだいぶ近づきました。しかし実はここからが勝負です。飛行機での移動は事前に手配したものに乗るだけですが、現地での移動はゼロからのスタートです。今回の移動ルートではバスに2回乗ります。パーダーボルン・リップシュタット空港からパーダーボルン中央駅(ドイツ語で中央駅はHauptbahnhof、略してHbf)に向かい、次にパーダーボルン大学付近のバス停まで行きます。なお空港は20:55到着で、次のバスは21:49発です。だいぶ時間に余裕がありますが、おそらくこれが最終なので、逃したら終わりです。それまでにきちんとバスに乗れるかが勝負です。中央駅は22:15到着で、そこから15分後の22:30発のバスで大学に向かいます。7分で大学付近に到着です。

 

さて、1人でうまくいけるのか?結論から言うと大丈夫でした。実際は空港で何も分からず携帯でいろいろと調べていましたが、空港前に停まっていたタクシーの運転手が親切に話しかけてくれ、丁寧に教えてくれました。タクシーの運転手が話しかけてくるならタクシーを使いなさいよと言われそうな気がしますが、いろいろとこちらの事情もあってタクシーは使えないので、とにかく感謝の気持ちを伝えました。なおドイツ語で感謝したいときはHerzlichen Dankと言えばよいです(Herzlichenは「心からの」を意味するHerzlichの変形でDankがありがとうの意味です。普通の「ありがとう」よりもかなり丁寧な表現になるようです)。

 

教えてくれた内容はバス停の場所と現金引き出しの方法です。先ほども書いたことですが、自分はユーロを持っていなかったのでまずはユーロを引き出す必要があります。なお専用の機械から通常のクレジットカードで引き出せます。機械はもちろんドイツ語で何も分かりませんでしたが英語には変更できるので、何とかやりました。ここでは機械の引き出し案内に従って50ユーロを引き出しました。1ユーロを140円とすればこれは7,000円相当ですね。バス停の場所にも注意が必要で、2か所あります。片方はおそらく空港内を移動するバス停だと思います。タクシーの運転手の方に感謝です。

 

そうこうしているうちに割と時間は来て、バスに乗りました。思ったことですが意外と英語は通じませんね。たぶん断片的に自分の英語は理解してくれてるんだろうけど、全部ドイツ語で返事をされるからよく分からない。まあでもとりあえず乗れてよかったです。そして乗り継ぎですが、またバス停を探さなければなりません。乗り継ぎ時間は15分で、その付近に乗りたいバスのバス停があることまでは分かっているのですが、結局バス停の場所に行けたのはバスの出発ギリギリでした。まさに行き当たりばったりの旅ですね。場所を探すのに苦労した原因として夜だから暗いというのがあります。人が少ないのも難易度アップの要因です。たぶん昼間だったらもっとスムーズに見つけられた気がしますね。次のバスも念のため行先を運転手に聞きますが、やはり運転手も少し戸惑う様子。そしたらすぐに前列に座っていた自分と同じくらいの年齢の男性が助けてくれました。その方は英語で話してくれたのでかなり助かりました。先ほどと同じく降り際にHerzlichen Dankと言います。

 

さてようやく大学に着きました。今回滞在するのはゲストハウスで、大学のすぐそばにあります。ここまでくれば大丈夫です。このときの時刻は23:00前でした。しかし大丈夫と言いながらも実は宿に入れたのは24:00前……いやはや宿に入るまでに1時間ほど格闘していました。

 

さていったい何があったのかをお話ししましょう。今回23:00前に宿に着くということは事前に分かっていました。なので羽田から出発する日の2日ほど前にゲストハウスの管理人にチェックインが遅れるという旨を伝えていました。そうすると管理人から返事が来て、対面でチェックインはしなくて大丈夫、代わりに部屋番号とそのロックの暗証番号を教えるということを伝えられました。さて、その指示通りに宿に行きロックを解除しようとするわけですが、何回やってもうまくいかない……ここで1時間かかってしまいました。結局場所が間違っているということが分かり、ようやく無事に宿に入れました。

 

なかなかややこしくて、どうやら(部屋番号とは別に)家に番号がついているのですが、メールでは自分の宿の家の番号は"92a"と伝えられました。ただ初めに"92"の家に行ってくれとあったので92の家に行きましたが、実はこれが間違いでした。自分はずっと92の家のロックを解除しようとしていたわけですが、92aの家はこれとは別にありました。自分は92の家の中に92aがあるかと思っていたのですが、実際は92の家の脇に92番通りがあり、その通りの奥に92aの家がありました。ややこしい。つまり「92の家に行ってくれ」とはあくまで方面というか、大まかな位置を意味するようでした。

 

さて、ようやく宿に入れました。しかし宿に入って自分の部屋に来てもまた自分の部屋が開けられずに時間を食いました。部屋は同様にキーロックなので番号を入れるわけですが、番号はOKと表示されるのにドアが開かない。これも苦戦しましたが、たまたま運よく隣の部屋の方が出られたのですぐに聞きました。普段日本で同じように部屋のドアが空かなくてもあんなに必死にはならないと思いますが、さすがにもう疲れていたので「EXCUSE ME!!」と大声で叫んでしまいました。もはや恥もクソもありません。結果、正解はキーロック解除後にドアノブの下にある物理キーを手動で解除するというものでした。なお物理キーは棒状の突起で、ひねって回すことでロックしたり解除したりできます。物理キー自体はそのまま回しても意味はなく、キーロック解除後に回すことで鍵を開けたり閉めたりできます。なおキーロック解除後の動作は5秒間くらいしか有効でなく、そこで物理キーの操作を終えられないと再びキーロック解除が必要になります。難しすぎる。

 

ようやく自分の部屋に入れたのでもう安心です。といいたいところですが意外と安心という感じでもないです。今回の宿はゲストハウスですが、部屋にはベッドとテレビしかありません。トイレ・シャワールーム・キッチンは全て共同。水場も冷蔵庫も共同ということで、部屋にはないです。あとなんか細くて小さいムカデみたいな虫の死骸が2つありました。わお。しかもめちゃくちゃ怖かったのが、実は死骸じゃなかったんですよね。死骸を2つ確認して気味が悪いなあと思った後、共同トイレで手を洗ったりスーツケースを開けて荷解きをしていたりといろいろやったわけですが、その後にまた見てみると死骸が2つとも消えていました。ということでアレは生きてたっぽいです。しかも怖いのが、消えたのであって動いた瞬間を見たわけではありません。死骸のあたりを見回してもアレがいない。なので生きている姿を見たわけではないんですよ。もしかして死骸を見たのすら疲労から来る自分の幻覚だった?冬の怪談です。

 

しかし恐怖は継続することもなく、疲れていたのでとにかくシャワーを浴びて着替えて寝ます。なおシャワーはシャワーだけです。電話ボックスのような透明なところにシャワーがドンと設置されています。先ほどトイレ・シャワールームは共同と言いましたが、今回の家は2階建てで、1階ごとに2か所ずつ、計4か所あります。なのでまあ大体は自由に使えます。自分はとりあえず適当な場所でシャワーを浴びましたが、そこにはシャンプーがありました。ありがたく使わせてもらったのですが、その後に他のシャワールームを確認するとシャンプーがあったのはここだけ。もしかしたら宿のものではなくて個人のだったのかもしれない……勝手に使ってしまいすみません。

 

まあとにかくシャワーを浴びて、着替えて、就寝!!これで長い一日が終わります。なお寝る前にはパンを食べました。このパンは羽田の出発ロビーで買っていたものです。まさかここで役立つとは……就寝時の時刻は2:00くらいでしたね。さすがにバタンでした。普段自分は家でないところで寝るのは得意ではないのですが、機内でほとんど寝ずに長期間フライトで体はバキバキ、宿に着くまでにも精神的に疲弊し、そして宿にもなかなか入れず……ということですべてが休息を求めていました。すぐに記憶はなくなりました。寝ている間にはなんか夢を見たような気がします。

 

さて、翌日のことも書きたいですが、現時点でそこそこ分量が増えてきましたし、今回はこのくらいにします。次回もたくさん書きたいことがあるのですぐに作成したいと思います。それではまた。